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【コピペOK!例文付】「看護過程のアセスメント例」の書き方を丁寧に解説!

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はじめに

看護過程は、看護師が一人一人の患者さんに対して行う看護のプロセスです。その中でも、アセスメントは看護過程の中でもっとも重要な部分です。アセスメントの目的は、患者さんの状態を正確に把握し、看護計画を立てるためです。本記事では、看護過程のアセスメントの書き方について、具体的な例文を交えて解説します。

1. アセスメントの目的

アセスメントを行う際には、患者さんの主訴や病歴、現在の症状などを詳しく聞き取ることが大切です。アセスメントの目的には、以下のようなものがあります。

  • 患者さんの状態を正確に把握する
  • 看護計画を立てるための情報を収集する
  • 患者さんの不安や疑問を解消する
  • 患者さんとの信頼関係を築く

2. アセスメントの手順

アセスメントの手順は、以下のようになります。

  1. 患者さんに対して、簡単な自己紹介をする。
  2. アセスメントの目的を説明する。
  3. 患者さんの主訴を聞き取る。
  4. 病歴や現在の症状について詳しく聞き取る。
  5. 身体検査を行う。
  6. 検査結果を記録する。

アセスメントの手順は、看護師によって異なる場合がありますが、このような基本的な手順を踏んで行うことで、正確な情報を収集することができます。

3. アセスメントの記録方法

アセスメントの記録方法は、看護師によって異なりますが、以下のような記録方法が一般的です。

  1. SOAPノート
  2. PIEノート
  3. APIEノート

これらの記録方法は、それぞれ特徴があり、適切な記録方法を選択することで、スムーズな情報共有ができます。

4. アセスメント例文:主訴

以下は、主訴についてのアセスメント例文です。

「○○さんは、腹痛を訴えています。痛みは、右下腹部にあり、昨日から続いているとのことです。」

主訴は、患者さんが訴える症状や問題点のことです。アセスメントの際には、患者さんの主訴を聞き取ることが重要です。

5. アセスメント例文:病歴

以下は、病歴についてのアセスメント例文です。

「○○さんは、高血圧症、糖尿病を患っており、降圧剤、糖尿病治療薬を服用しています。」

病歴は、過去に患った病気や手術、治療歴などのことを指します。アセスメントの際には、病歴を詳しく聞き取ることで、現在の症状の原因を把握することができます。

6. アセスメント例文:身体所見

以下は、身体所見についてのアセスメント例文です。

「腹部は、軟らかく、触診にて右下腹部に圧痛が認められる。体温は、37.5℃。」

身体所見は、身体の状態を観察したり、触診したり、聴診したりすることで得られる情報のことを指します。アセスメントの際には、身体所見を詳しく記録することで、患者さんの状態を正確に把握することができます。

7. アセスメント例文:看護診断

以下は、看護診断についてのアセスメント例文です。

「疼痛(腹痛)に関連する睡眠障害」

看護診断は、患者さんの問題点やニーズを分析した上で、看護計画を立てるための情報を整理することを指します。アセスメントの際には、看護診断を明確にすることで、適切な看護計画を立てることができます。

8. アセスメント例文:看護目標

以下は、看護目標についてのアセスメント例文です。

「疼痛(腹痛)が軽減され、睡眠が改善されるようにする。」

看護目標は、看護計画の達成目標を設定することを指します。アセスメントの際には、看護目標を明確にすることで、患者さんの問題点を解決するための具体的なアプローチを考えることができます。

9. アセスメント例文:看護介入

以下は、看護介入についてのアセスメント例文です。

「疼痛に対しての鎮痛剤投与、ストレス軽減のためのカウンセリングを行う。」

看護介入は、看護計画の具体的な実施内容を指します。アセスメントの際には、看護介入を考えることで、看護計画を具体的に立てることができます。

10. アセスメントの種類

アセスメントには、初回アセスメント、定期アセスメント、緊急時アセスメントなどがあります。

初回アセスメント

初回アセスメントは、患者さんが入院した際に行われるアセスメントです。患者さんの病歴や現在の症状を詳しく聞き取り、身体検査を行い、看護計画を立てるための情報を収集します。

定期アセスメント

定期アセスメントは、入院中に一定期間ごとに行われるアセスメントです。患者さんの状態が安定している場合でも、一定期間ごとに行うことで異常を早期発見することができます。また、治療効果や副作用なども確認し、必要に応じて看護計画の修正を行います。

緊急時アセスメント

緊急時アセスメントは、突然の変化や急激な症状変化があった場合に行われるアセスメントです。例えば呼吸困難や意識障害などです。この場合は迅速かつ正確な判断が求められます。適切な看護措置を講じるためにも正確かつ迅速な情報収集が必要です。

これらの種類のアセスメントはそれぞれ目的や方法が異なりますが、適切に実施することで正確かつ効果的な看護ケアを提供することができます。

11. アセスメントで把握すべき項目

アセスメントでは、身体的な症状だけでなく、社会的・心理的な要素も含めた詳細な情報を収集することが大切です。以下に、アセスメントで把握すべき項目をいくつか挙げてみます。

現在の症状

現在の症状は、患者さんが訴える主訴や身体所見から把握することができます。ただし、患者さんが感じている不快感や苦痛を正確に理解するためには、適切なコミュニケーションが必要です。

病歴

過去に患った病気や手術、治療歴などの情報は、現在の症状の原因を理解する上で重要です。また、家族歴や生活歴なども含めた詳細な情報収集が必要です。

社会的・心理的要因

患者さんの生活背景や職業、家族構成などの社会的要因や、ストレスや不安といった心理的要因もアセスメントで把握すべき項目です。これらの要因は、患者さんの健康問題に影響を与える場合があります。

治療方針や希望

患者さん自身が望む治療方針や希望もアセスメントで把握すべき項目です。患者さん自身が治療計画に積極的に参加し、自己決定を行うことは看護ケアにおいて非常に重要です。

これらの項目を含めた詳細な情報収集は、正確かつ効果的な看護計画を立てる上で欠かせません。看護師は適切なコミュニケーション技術を用いて患者さんと信頼関係を築き、このような詳細な情報収集を行うことが求められます。

アセスメントにおける倫理的問題:プライバシーや患者さんの意思決定能力に関する配慮事項

アセスメントを行う上で、プライバシー保護や患者さんの意思決定能力に関する倫理的な問題が存在します。看護師は、以下のような配慮事項を考慮しながらアセスメントを行う必要があります。

プライバシー保護

アセスメントにおいては、患者さんのプライバシーを保護することが重要です。具体的には、以下のような点に配慮する必要があります。

  • 患者さんと面談する際は、周囲に他人がいないことを確認する。
  • 記録やデータの取り扱いについては、法令や病院内規等に従う。
  • 患者さんから得た情報を第三者へ漏らさないよう注意する。
  • 患者さんから得た情報を不必要に詳細まで記録しないよう注意する。

これらの配慮事項を守ることで、プライバシー保護を確保し、信頼関係を築くことができます。

患者さんの意思決定能力

アセスメントでは、患者さん自身が自己決定しやすくなるようサポートすることも大切です。具体的には、以下のような点に配慮する必要があります。

  • 情報提供を十分行い、理解しやすく伝える。
  • 患者さん自身の希望や価値観を尊重する。
  • 意思決定能力が制限されている場合でも可能な限り参加してもらえるよう支援する。

これらの配慮事項を守ることで、患者さん自身が治療計画や看護ケアに積極的かつ自己決定的に参加できる環境づくりが可能です。

アセスメントと診断の違い:看護師が行うアセスメントと医師が行う診断の違いについて解説

アセスメントと診断は、医療現場で頻繁に使用される用語ですが、それらの意味や役割について混乱することがあります。看護師が行うアセスメントと医師が行う診断は、どのような点で異なるのでしょうか。

アセスメントとは

アセスメントは、患者さんの健康状態や問題点を詳しく把握するために行われる情報収集のことを指します。看護師は、患者さんから主訴や身体所見を聞き取り、病歴や家族歴なども含めた詳細な情報を収集します。その後、得られた情報を分析し、看護計画を立てることが求められます。

診断とは

一方で、診断は疾患や障害に対して正式に名前を付けることを指します。医師は、患者さんから主訴や身体所見を聞き取り、必要に応じて検査や画像診断なども行います。そして、得られた情報を元に正式な疾患名や障害名を付けます。

異なる視点からのアプローチ

このように、「アセスメント」と「診断」は異なる視点からのアプローチであることがわかります。看護師は主に日常的なケアを担当し、患者さんの健康状態全般を評価します。一方で医師は専門的な知識や技術を持ち合わせており、「診断」まで含めた治療全般に関与します。

しかし最近では、「ナーシング・ディアグノーシス(看護診断)」という言葉も使われ始めています。これは看護師自身が立案した看護計画内で使用する用語です。「ナーシング・ディアグノーシス」では、「アセスメント」と同じく情報収集が重要ですが、「治癒支援」「苦痛軽減」「生活改善」といった目的に向けた具体的な介入方法までも考えられます。

以上より、「アセスメント」と「診断」は異なる視点からのアプローチであることがわかりました。しかし最近では「ナーシング・ディアグノーシス」も提唱されており、“看護” だけでも大きく貢献することが求められています。

アセスメント後の記録活用法:アセスメント結果を正しく記録し、他職種と共有することでより良い看護計画を立てる方法

アセスメントは、看護師が患者さんの健康状態や問題点を把握するために行われます。しかし、アセスメントを行った後にもう一歩進んで、その結果を正しく記録し、他職種と共有することが重要です。なぜなら、正確かつ共通認識のある情報があることでより良い看護計画が立てられるからです。

記録のポイント

アセスメントの結果を記録する際には、以下のポイントに注意してください。

  • 記録内容は明確かつ具体的であること。
  • 患者さん本人から得た情報は引用符で囲み、そのまま書き写す。
  • 患者さん本人から得た情報以外の情報は出典を明示する。
  • 病歴や家族歴なども含めた詳細な情報を記録する。
  • 他職種と共有することを前提にしているため、専門用語や略語は避ける。

これらのポイントに注意することで、他職種でも理解しやすく共通認識のある情報が得られます。

他職種との共有

アセスメント結果は看護師だけでなく、医師や薬剤師、リハビリテーションスタッフなど他職種でも必要な情報です。そのため、アセスメント後には必ず他職種と共有するよう心掛けましょう。

例えば、「ナーシング・ディアグノーシス」では看護師自身が立案した看護計画内で使用されます。この場合には、「治癒支援」「苦痛軽減」「生活改善」といった目的に向けた具体的な介入方法までも考えられます。また、「ナーシング・ディアグノーアウトカム(看護予後)」もあります。これは「ナーシング・ディアグノーゼズ」から予想される成果を表現したものです。これら全てが他職種でも理解しやすく共有されるよう記録されていることが求められます。

以上より、「アセスメント後の記録活用法」では正確かつ明確な情報収集だけでなく、その結果の適切な記録化および他職種への共有も重要視されます。適切かつ効果的な看護ケア提供に向けてこの点に留意して実践していきましょう。

アセスメント時に注意すべきポイント:時間配分や質問方法、聴取力向上のためのトレーニング方法

アセスメントの目的は、患者さんの状態を正確に把握することです。しかし、アセスメントを行う際には、以下のような注意点があります。

時間配分

アセスメントには、十分な時間が必要です。十分な時間を確保し、ゆっくりと話を聞きましょう。急いで話を切り上げると、重要な情報を見落としてしまう可能性があります。

また、予定よりも長い時間がかかってしまった場合には、「次回またお話ししましょう」という形で切り上げることも大切です。患者さんに対して無理強いをすることは避けましょう。

質問方法

アセスメントでは、質問方法も重要です。以下のようなポイントに留意して質問するよう心掛けましょう。

  • オープンエンド質問(「どんなことが気になっていますか?」)を多用する。
  • 閉じた質問(「〇〇で困っていますか?」)は最小限に留める。
  • 質問内容は明確かつ具体的であること。
  • 質問内容が理解しづらい場合は再度説明する。

これらのポイントを守ることで、患者さんからより詳細かつ正確な情報収集が可能です。

聴取力向上のためのトレーニング方法

看護師自身も聴取力を向上させることで、より効果的なアセスメントが可能です。以下のようなトレーニング方法があります。

  • アクティブリスニング:相手の話に集中してリアクションを返すトレーニング法。
  • スピードリーディング:文章全体から情報を得るための訓練法。
  • メモ術:会話内容や情報収集結果を記録する能力向上のための訓練法。

これらのトレーニング方法で聴取力向上を図り、正確かつ効果的なアセスメントを行いましょう。

まとめ

アセスメントは、看護過程の中でもっとも重要な部分であるとともに、看護計画を立てるための基礎となります。正確なアセスメントを行うためには、患者さんとのコミュニケーションが欠かせません。看護師として、患者さんとの信頼関係を築き、適切なアセスメントを行うことが大切です。

以上の内容を参考に、看護過程のアセスメントの書き方について理解を深め、患者さんに寄り添った看護を実践していただければ幸いです。