はじめに
ビジネス文書には、相手に対して敬意を表す言葉が多く使われます。「拝啓」もその一つであり、手紙やメールの冒頭でよく使われます。しかし、初めて使う人にとっては慣れない表現であり、どのように使えばよいのか分からないこともあるでしょう。この記事では、「拝啓」の使い方について初心者にも分かりやすく紹介します。
「拝啓」の使い方
「拝啓」は、手紙やメールの冒頭に使われる敬称の一つで、相手に対して敬意を表す言葉です。例えば以下のように使います。
拝啓 山田様
この場合、「山田様」に宛てた手紙やメールであることが分かります。また、「様」は「さん」と同じく、相手への敬意を表す敬称の一つです。
「拝啓」を使う場合には、以下の点に注意しましょう。
- 相手に対して敬意を表すために使う
- ビジネス文書では、できるだけ使うようにする
- 「拝啓」以外の敬称もあるので、使い分ける
「拝啓」以外の敬称
「拝啓」以外にも、手紙やメールで使われる敬称はいくつかあります。代表的なものは以下の通りです。
- 拝啓
- 敬具
- 敬具をもって
- 敬白
- 敬称略
- 御中
それぞれの使い方については、別の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
「拝啓」を使わない場合
「拝啓」は、手紙やメールの冒頭に使われる敬称ですが、必ず使わなければならないわけではありません。例えば、以下のように書くこともできます。
山田様
この場合は、「拝啓」を省略した形となります。ただし、相手に対して敬意を表すことが重要なビジネス文書では、できるだけ「拝啓」を使うようにしましょう。
「拝啓」を英語に翻訳すると?
「拝啓」を英語に翻訳すると、「Dear」となります。手紙やメールで相手に対して敬意を表す場合には、「Dear」を使うことが一般的です。
「拝啓」の例文
ここからは、実際に「拝啓」を使った例文を紹介します。
例文1
拝啓 山田様
いつもお世話になっております。この度は、お忙しいところ誠に恐縮ですが、私共の新商品のご案内をさせていただきます。
以下略
このように「拝啓」を使うことで、手紙やメールの冒頭から丁寧な印象を与えることができます。
例文2
拝啓 御中
この度は、弊社の新商品のご案内をさせていただきます。ご多忙のところ大変恐縮ですが、何卒ご検討いただけますようお願い申し上げます。
以下略
このように、「拝啓」を使わずに、「御中」を使うこともできます。相手に対しての敬意を表すことができるだけでなく、ビジネス文書の場合には、親しみを持たれる印象を与えることも期待できます。
「拝啓」を使った手紙の書き方
手紙の書き方にも決まりごとがあります。以下に、手紙の書き方の基本を示します。
- 左上に送り先の住所・氏名を書く
- 左下に日付を書く
- 右上に差出人の住所・氏名を書く
- 冒頭に「拝啓」を書く
- 本文を書く
- 結びに丁寧な言葉を書く
- 最後に差出人の住所・氏名を書く
このように、手紙の書き方にも決まりごとがあるため、覚えておくと便利です。
「拝啓」以外のビジネス文書で使う敬称について
「拝啓」以外にも、ビジネス文書でよく使われる敬称があります。以下では、代表的な敬称を紹介します。
- 「敬具」:手紙やメールの末尾に使われることが多く、「謹んで」や「敬具をもって」といった言葉と一緒に使います。例えば、「謹んでお礼申し上げます。敬具をもって」というように使います。
- 「敬称略」:相手の肩書きや役職名を省略して、単に「様」「御中」といった言葉だけで呼ぶ場合に使われます。「拝啓」や「敬具」と同様、手紙やメールの冒頭・末尾に使用されます。
- 「御中」:会社名・団体名・部署名などを省略して、相手全体を指す場合に使われます。「拝啓」と同様、手紙やメールの冒頭に使用されます。
これらの敬称は、「拝啓」と同じく、相手に対する丁寧さや尊重を示すために用いられます。ただし、それぞれの敬称が適切かどうかは状況次第です。例えば、「御中」はあまり親密な関係では使用しない方が良いかもしれません。
以上が、「拝啓」以外のビジネス文書で使う敬称の代表的な例です。これらを適切に使用することで、相手とのコミュニケーションが円滑に進むことが期待されます。
「拝啓」を使った手紙やメールの例文集
ここでは、「拝啓」を使った手紙やメールの例文をいくつか紹介します。これらの例文は、ビジネスシーンでよく使用されるものであり、参考にしてみてください。
例文1:お客様への挨拶状
拝啓 お客様
この度は、弊社製品をご購入いただきありがとうございます。大変恐縮ですが、製品に不備があった場合やご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
引き続き、弊社製品をご愛顧賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
敬具
例文2:求人募集に対する応募書類
拝啓 採用担当者様
貴社のWebサイトで掲載されている求人情報を見て、非常に興味を持ちました。自己PRと履歴書を添付して送付させて頂きます。
引き続き、採用選考の進展を心待ちにしております。
敬具
例文3:取引先への新商品案内
拝啓 株式会社〇〇御中
日頃より格別なご高配を賜りまして誠にありがとうございます。この度は弊社から新商品発売のご案内です。
以下略
以上が、「拝啓」を使った手紙やメールの例文集です。これらは、相手と円滑なコミュニケーションを築くための一助となることでしょう。
ビジネスメールで「拝啓」を使う際の注意点
ビジネスメールでも、「拝啓」を使って相手に敬意を表すことができます。しかし、ビジネスメールは手紙よりもカジュアルな傾向がありますので、使い方には注意が必要です。
まず、ビジネスメールでは相手の名前だけを記載する場合もあります。例えば以下のように書くことができます。
山田様
この場合、「拝啓」という言葉は省略されています。ただし、相手に対して敬意を表すために「様」を付けることは重要です。
また、「拝啓」以外にも、ビジネスメールで敬称として使用される言葉があります。例えば、「尊敬する」「ご挨拶申し上げる」といった言葉も一般的です。これらの言葉を使って、自分自身や自社・部署・商品などについて紹介する際に敬意を表現することもできます。
最後に、ビジネスメールではタイトルや本文のフォントサイズや色なども重要です。「拝啓」だけでなく、全体的な印象も大切にしましょう。また、相手との関係や目的に応じて適切な文体を選択することもポイントです。
以上が、ビジネスメールで「拝啓」を使う際の注意点です。適切な使い方を心掛けて、円滑なコミュニケーションを実現しましょう。
「拝啓」を使った手紙やメールの書き方についてもう少し詳しく
「拝啓」を使った手紙やメールの書き方には、いくつかの注意点があります。以下では、より詳しく説明します。
1. 冒頭に「拝啓」を書く
手紙やメールの冒頭には、「拝啓」という言葉を必ず入れましょう。この言葉は相手への敬意を表すものであり、ビジネス文書では重要なフォーマルな決まりごとです。
2. 相手に合わせた敬称を使用する
相手に合わせた敬称を使用することが大切です。例えば、「様」「御中」「殿」といった言葉がありますが、これらは用途や相手によって使い分ける必要があります。
また、相手と親密な関係であれば、「様」や「御中」だけでなく、「お名前」といった呼び方も適切です。
3. 敬意と親近感をバランス良く表現する
ビジネス文書では相手への敬意を表現することが大切ですが、同時に親近感も持ってもらうことが望ましい場合もあります。そのため、敬称だけでなく丁寧さと親近感をバランス良く表現することが求められます。
例えば、「拝啓 山田様」という冒頭から始まる文章でも、「最近お元気でしたか?」など身近な話題から始めることで、親密さを演出することができます。
4. タイトル・本文・結びのフォーマットに気を配る
タイトル・本文・結びのフォーマットにも注意しましょう。タイトルは簡潔明瞭で分かりやすく、本文は段落ごとに区切って読みやすいよう工夫することが大切です。また結びでは改めてお礼や挨拶の言葉を入れることで好印象を与えることができます。
以上が、「拝啓」を使った手紙やメールの書き方について詳しく説明した内容です。適切なフォーマットで相手へ丁寧さや親密さを伝えるよう心掛けましょう。
「拝啓」を使わずにビジネス文書を書く場合の注意点と例文集
「拝啓」は、手紙やメールの冒頭でよく使われる敬称ですが、ビジネス文書を書く際には必ずしも使わなくても良い場合があります。ここでは、「拝啓」を使わずにビジネス文書を書く際の注意点と例文集を紹介します。
注意点
まず、ビジネス文書で「拝啓」を使わない場合でも、相手に対して敬意や丁寧さを示すことが大切です。以下に、具体的な注意点を示します。
- 相手に合った言葉遣いをする 「様」「御中」「殿」といった敬称以外でも、相手に合った言葉遣いを心掛けましょう。例えば、「ご注文ありがとうございます」といった表現は、お客様への感謝の気持ちを表現する上で重要です。
- タイトル・本文・結びのフォーマットに気を配る ビジネス文書ではタイトル・本文・結びのフォーマットが重要です。タイトルは簡潔明瞭で分かりやすく、本文は段落ごとに区切って読みやすいよう工夫することが大切です。また結びでは改めてお礼や挨拶の言葉を入れることで好印象を与えることができます。
- 敬意と親近感をバランス良く表現する 相手に対して敬意や丁寧さだけでなく、親近感も持ってもらうことが望ましい場合もあります。「最近お元気でしたか?」など身近な話題から始めることで、親密さを演出することができます。
例文集
以下は、「拝啓」以外でも使用可能なビジネス文書の例文集です。
例文1:お客様へ送付する見積もり
山田様
この度は弊社製品の見積もり依頼ありがとうございます。お忙しい中恐れ入りますが、下記内容でご確認ください。
引き続き何卒宜しくお願い申し上げます。
例文2:取引先宛ての発注確認メール
株式会社〇〇 御中
先日は弊社製品の発注ありがとうございます。このメールは確認用の連絡です。 以下略(注文内容)
以上が、「拝啓」以外でも使用可能なビジネスメール・ビジネスレターの一例です。これらから参考にしながら自分自身でも文章作成してみてください。
「拝啓」と「敬具」、「御中」など、敬称の違いとそれぞれの使い方
ビジネス文書では、相手に対して敬意を表すために敬称を使用することが一般的です。代表的な敬称としては、「拝啓」「敬具」「御中」がありますが、それぞれの違いや使い方について解説します。
「拝啓」
「拝啓」とは、手紙やメールの冒頭で用いられる日本語の敬称で、相手に対する丁寧な挨拶の言葉です。また、「尊敬する」「お世話になっております」といった言葉と併用されることもあります。
「拝啓」は、一般的に目上の人物や取引先へ送るビジネス文書で使用されます。しかし、近年ではカジュアル化傾向にあるビジネスシーンでも使用されることがあります。
「敬具」
「敬具」とは、「尊重する旨を表明する文章末尾の言葉」を意味します。手紙やメールで最後に記載し、相手への礼儀を示すために使われます。
具体的な例としては、「以上(以下)」「ご確認ください」「よろしくお願い申し上げます」などがあります。また、「尊重しております」というニュアンスを含む場合もあります。
「御中」
「御中」とは、宛名欄や本文中で様々な団体・企業・組織などを指す際に使用されます。「様」や「殿」同様、相手への丁寧さを表現するために用います。
特定の個人宛てではなく団体全体または部署単位で送信する場合に使われることが多く、「株式会社○○ 御中」「○○部門 御中」といった形式で使用されることが多いです。
以上が、「拝啓」「敬具」「御中」など主要な日本語敬称の違いや使い方です。ビジネス文書作成時に正確かつ適切な使い分けを行うことで、相手から好印象を与えることができます。
まとめ
「拝啓」は、手紙やメールの冒頭に使われる敬称の一つで、相手に対して敬意を表す言葉です。初めて使う人にとっては慣れない表現かもしれませんが、使い方を覚えるとビジネス文書の印象を良くすることができます。ぜひ、この記事を参考にして「拝啓」を使った手紙やメールを書いてみてください。